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  • 19.08.30

[GWA2019]グランプリはブルーレマン名古屋の鈴木温子さん

 栄えあるグランプリに選ばれたのはブルーレマン名古屋(愛知県名古屋市)の鈴木温子さん。再婚夫婦の2 人を担当し、結婚式での『やりたくない』要望にひとつひとつ丁寧に対応する姿勢が評価された。新郎新婦がメインではない『ゲストファースト』の結婚式をプランニングした。
 とにかく結婚式に対して、ネガティブなイメージを抱いていた2 人。入場演出はしたくない、自分たちがメインとなる『結婚式』という言い方はしてほしくない、新郎の父が結婚式に反対しているなど注意事項も多かった。鈴木さんは、なぜ2人が結婚式をする意味があるのかを考えた。 
 自分より新婦と年齢の近いヘアメイク担当から胸の内を引き出してもらうことにした。新婦の悩みは『新郎に父親になる覚悟を持ってほしい』ということ。新婦には小学生になる連れ子がいたが、ヒアリングの際、新郎とその子に距離があることを感じていた。人一倍苦労してきた新婦には、多くの人から祝福されてほしいと考え、子供が2 人を認めるセレモニーを入れるなど、新郎に覚悟を持って貰えるような結婚式を企画した。 
 テーマは『RE START〜冬来たりなば 春遠からじ〜』に決定。冬に離婚を経験した2 人だが、これからは思いを新たに3 人が家族となり、新生活へ踏み出していく様子を春に例えた。結婚式は、『寒い冬の時期』を支えてくれた人、1 人1 人に感謝を伝える日にしようと提案した。 
 次に課題となったのが、新郎新婦の要望であった『入場をしない結婚式』、『結婚式という単語を使わない』こと。自分たちがメインとなるような演出はせずゲストが主役になるよう、入場の際には2 人が先に入りゲストを迎える形にした。歓談しながら会場に入ることでアットホームな雰囲気に。再入場も中座に変更し、ゲストにはお手洗や休憩を取ってもらった。再入場の時間も、テラス席で料理と共にゲストを待ち受けるように工夫をした。『結婚式』というワードも使わず、『感謝を伝える日』という言い方に変えた。
 「結婚式の準備期間中から家族にも変化が見られました。パーティには出席しないと言い張っていた新郎の父親は、新郎のことを気にして、朝一番に来館していました。新郎は挙式後毎日、子供から式中に伝えられたメッセージ動画を見るなど父親らしくなったそうです。」(鈴木さん) 
 『結婚式に意味はあるのか』や、『挙式をしなくてもいいのでは』という声に対して、一人一人の考え方に寄り添いながら、2 人の価値観を見出し未来の可能性を考えていく。それが、カップルにとっても、業界に対しても大事だと語った。
(詳細はブライダル産業新聞紙面にて、8月21日号)